残像
http://zanzou-movie.com/
この映画を知ったのはNHKのニュースで紹介されていたからです。
アンジェイ・ワイダ監督の映画は3年前に見た「ワレサ連帯の男」でした。
その監督が昨年10月9日亡くなったそうで、遺作となった作品です。
第二次大戦後、ソビエトの影響下にあったポーランド、
前衛画家で大学教授であった実在の人物ストゥシェミンスキが体制に迎合せず反発したために次第に追い詰められていく様子を淡々と描いていく作品です。
ワイダ監督は最初画家志望でストゥシェミンスキの大学に在学していたそうで身近に接していたのかもしれません。この影響が監督の作品の1つの流れになったのかもしれませんね。
見た後は何とも言えずやるせない重い気持ちになりましたが監督が見る者に語りかけたかったメッセージを感じることが出来ました。
外では狸小路のお祭りでたくさんの人が飲んだり食べたり酔って寝たりしていました。それで改めてこんな時代に生きていることがいかに幸せなのか、ということを再認識したのでした。
映画の最初の方でストゥシェミンスキが学生達に語る、このセリフが印象的でした。
「残像はものを見た時に目の中に残る色なのだ。人は認識したものしか見ていない。」
恐らく見る機会は無いと思いますがワイダ監督の作品、灰とダイヤモンド、カティンの森も見たかったなぁ。
今回久しぶりにキノに行ったのですが見逃した映画がありました。映画館のパンフレットを見て気づいたのでした。
正しくは8/4まで上映なんだけど仕事の後に行ける時間じゃないので諦めました。
この方の名前は知ってましたが、
内容が重い作品が多かったので意識的に避けていた感じもあります(^^;
(気持ちが暗くなっちゃうから・・)
大昔からヨーロッパでもポーランドとかオーストリアとかは、
常にどこかの国に占領されたり政治的な圧力を受ける事が多かったので
今思うと、日本のこの時代に生まれて来て本当に良かったと思います。
ソ連でも芸術家(音楽系とか)はアメリカに亡命したりしてる方も多かったようですが
当時のアメリカでも赤狩りと言って共産主義者を迫害したり
人種差別も多かったようですから、混沌とした時代だったかも知れませんね。
ワレサ連帯の男は、そんなに重い映画ではなかったのですが、この映画はほんと虚しいというか暗くなりました。歴史的なことは、あまりわかりませんがポーランドは色々な国の影響を受けて大変だったようですね。子供の頃に読んだレーニンの伝記とは違い、実際の社会主義は=独裁主義みたいな感じがします。
暗くなりましたが、その後ビアガーデンに行った我が家ですが…。
だけど、今の状況で平和ボケした日本がいつまで続くのか、北朝鮮と中国と米国関係のニュースを見ると不安になりますよね。