鉄は魔法つかい
気仙沼で牡蠣の養殖をしている漁師さんが書いた本。
牡蠣を育てるのにも鉄が必要なことを20年前に知り1989年から「森は海の恋人」をキャッチフレーズに気仙沼湾に流れ込む川の上流にブナやナラの木を植える活動を始めました。
なぜ、植林するかというと牡蠣の餌になる植物プランクトンを増やすためには鉄が必要なのだそうです。
川の上流の森から植物が吸収しやすい形の鉄(フルボ酸鉄)が補給されるのだそうです。
それには針葉樹林ではなくて広葉樹林であること。腐葉土が必要なんですね。
磯焼け現象の原因は森林が荒れて鉄が供給されなくなることが原因。
製鋼スラグに腐葉土や堆肥を混ぜた物を袋詰し埋めたところ、翌々年ジャングルのように昆布が生えたのです。(これは北海道増毛町での実験)
植物が光合成をするのにも鉄が重要な役割を果たしているそうです。
だから磯焼け現象を解消しようとしても自然の連鎖がわからないと根本的な解決にはならないのですね。
まるで人体と同じです。
動物だけじゃなくて植物や海藻にも重要なミネラル分であるということを知りました。
子供も読めるような本なので、とても読みやすかったです。