ヒトはおかしな肉食動物

この本、とても読みやすくて、すごく面白い本でした。

著者は味の素(株)健康基盤研究所の初代所長です。リンク先のインタビュー記事が本の一部を抜粋したような内容になってます。興味のある方はぜひ読んでみて下さいね。

https://www.ajinomoto-kenko.com/about/vol01/

生物としてのヒトのことを色々と書いてあるんですが、研究所ではアミノ酸の研究や健康食品の開発に携わっていたるようなのでアミノバイタルの開発にも関わった方なのかもしれませんね。

 

一番面白いな~と思ったのは、

アミノ酸桶理論って、皆さんご存知ですか?

ご存知ない方はこちらを見てね。

http://jraaa.jp/amino/index.html

アミノ酸桶理論ではそれぞれのアミノ酸の一番低いレベルの物までしか体で利用出来ないとされています。

じゃあアミノ酸バランスの悪い食品を摂った場合、スコアが高くて体内で利用されずに余った種類のアミノ酸はどうなるのか?って何となく疑問に思ってました。

余剰アミノ酸は体脂肪になって蓄えられるそうです。

これに当てはめると糖質制限ダイエットで肉はいくら食べても太らないなんて書き方は間違いということになりますね。

ですが、糖質と違って動物性蛋白質はアミノ酸のバランスが良いから摂食中枢が正常であれば、普通は過食になる前に自然と満たされて食欲が収まると私は思います。

ここでもよく噛んで食べることが過食の予防と栄養の吸収を促進する大事なポイントになるでしょう。

アミノ酸スコアと吸収のことを考えると肉卵を良く噛んで食べれば、かなりいいんじゃないかと思いますね。

 

げっ歯目みたいにアミノ酸組成の悪い穀類を主食にしている動物は、一番レベルの低いアミノ酸を身体にとって必要なレベルまで食べることになります。

動物は人間みたいにダイエットなんて考えないで本能のままに行動するから必要な物が満たされるまで食べ続けると思います。

そうすると他の物が過剰になる。

過剰な物はエネルギーとして消費しようとするので身体を動かしたがるのだとか。

なるほど、面白いと思いました。

確かにげっ歯目ってクルクル回るおもちゃの中で走ったりしてますよね。

ランナーを始めとし有酸素運動が好きな人達にもそれが言えるのか?(笑)

戦前の日本人もアミノ酸組成の悪いお米をたくさん食べていたけど日常労働で上手くエネルギーを消費していただろうし、平均寿命も短かったから糖尿病になる人が少なかったんでしょうね。

 

ヒトの進化の過程での生殖や子育てのことやら生物学的な視点からの色々な考察も面白かったです。

ヒトは本来授乳期間が3年ぐらいで、授乳している間は排卵が起きないので妊娠せず4~5年に一度、生涯に3,4人子供を生むのが本来の状態だとか。だから1年ぐらいで離乳するのは母子ともに良くないってことになりますよね。

動物は生殖能力が無くなったら自然と淘汰されるのに、それが無くなったあとに30年以上生きるのが現在のヒト。

生活習慣病なんかは、その影響もあるようなことを書いていましたね。

確かに、それもあるかも。

色々腑に落ちる内容の本でした。

私的にはオススメの一冊です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です