脂肪を使える身体にする

昨年5月の洞爺湖マラソンを最後にカーボローディングをやめた私ですが(その頃の食事日記を読むと、どれだけ高血糖になっていたのか空恐ろしくなります^_^;)、色々なスポーツ栄養学の本を読んでみましたが、どの本も炭水化物をしっかり摂るという記述があります。しかし私にはそれが出来ません。インスリンの分泌不全で摂った糖質がグリコーゲンとして取り込める量が少なく、血糖値だけが高くなってしまうから、やっても害があるだけで意味が無いのです。糖質を摂らなくても走れるのか、必要ならばどの程度、また摂取のタイミングなど今も試行錯誤していますが、そんなこととは無関係に、この間、ふと以前東京で競歩の個人レッスンを受けたことがある園原健弘さん(元バルセロナオリンピック50キロ競歩日本代表)この本読んでみました。

この本は2008年4月に出版された本で、個人レッスンの時に園原さんがマラソンを速く走れるようになるには効率的なフォームをマスターすることと脂肪を使える身体にすることっておっしゃっていたのが、とてもインパクトがあり、その直後にこの本を買いました。内容はフルマラソンを目指す初心者向けに書かれた本で、その時は自分なりの咀嚼と理解があまり出来なかったのですが、糖質制限をするようになった今、再びこの本を読み返してみたら、「正しい歩き方に加えて脂質代謝機能を高めれば怖いものなし」という章に主にまとめられているのですが、自分なりの試行錯誤で感じて来たことを確定出来そうな内容でした。

園原さんに言わせればマラソンは根性を発揮する必要が出て来た時点で勝負は負けなのだそうだ。こういう考えに至ったきっかけは現役時代、競技生活の大半を過ごしたメキシコでの体験だそうです。日本人が根性根性といってぶっ倒れるような練習をしている時にメキシコ人はニコニコしながら同じ内容を軽々とこなしており、それを見て根性意外にやることがたくさんあるということを学んだそうです。今は科学的分析もだいぶ進んでいるでしょうから違うと思いますが、あの時代はトップクラスの選手でもそんな指導だったんですね。

私の考えを後押ししてくれるポイントを箇条書きにしておきます。

■あなたの身体は代謝不全に陥っているかも

  • 三大栄養素のうち運動する時のエネルギー源は糖質と脂質であるが現代人の多くは身体を動かす機会が減っているのに栄養価の高い食事をする機会が増えていることもありエネルギー源として貯蔵されている糖質や脂肪を上手く代謝しきれない非効率な身体になっている。
  • 特に脂質代謝能力が落ちていると生活習慣病やメタボになりがち。
  • マラソンを始めれば身体の代謝機能はアップしていくが問題は米などの炭水化物を摂取する機会の多い日本人は脂質代謝より糖質代謝の方が促進されやすい。健康的に生活したいのであれば脂質代謝機能を高める必要がある。
  • マラソンを楽に速く走り切るためにも脂質代謝機能をいかにアップさせていくかが重要

■脂質代謝機能をアップさせるにはどうすれば良いのか

◇炭水化物を摂らなければ…という完璧な誤解

  • 当時は運動中の主要エネルギー源は糖質であると信じていた。
  • 体内に一度に蓄えられることが出来るグリコーゲン総量は成人男性の場合300~380g程度、鍛えられたアスリートでも500g程度。
  • 筆者の経験上、カーボローディングによる調整法は難しく科学者の計算通りにグリコーゲンを蓄えることは出来ない。
  • 市民ランナーの場合、体重が重かったり走る時間が長かったりするだけでマラソンで消費するエネルギー量は3000~4000kcal以上にもなる。しかし、前述のように一度に蓄積出来るグリコーゲン量では1200~1520kcalしか生み出せないので4,5時間かけてフルマラソンを走り切るエネルギー量にはとても足りない。
  • 50キロ競歩やトライアスロンの選手は距離も競技時間もマラソンより長いので脂肪を効率良くエネルギーに変える方法を早くから研究、模索してきた。→(マフェトン理論がそうですよね)

■脂肪こそフルマラソンのメインエネルギー源

  • 運動中の筋肉は糖質と脂質をエネルギー源として利用する。
  • 強度が高い時は糖質、低い時は脂質をエネルギー源にする。
  • ということは脂肪をエネルギー源にした場合は速く走れないのか?
  • 速い、ゆっくりというスピード感覚には個人差が大きい。時速5キロのランニングでも主なエネルギー源として糖質を使っている人も多いというのが現実。
  • こういう人達はグリコーゲンの貯蔵能力も低くなっていて、食事をしてもすぐに空腹になり、頻繁に糖質を補給しないと動けない→(これ、過去の私です)
  • 糖質が多く含まれた食品や飲み物を簡単に購入出来るし、加工食品にも必ずといっていいほど糖質が含まれている。普段からこうした物を何気なく摂取していると知らず知らずのうちに糖質を取り込みやすい体質になっている可能性が高い
  • 糖質を摂取しやすい環境にいる人が低い強度でゆっくり走ったとしても、すぐにグリコーゲンが枯渇して糖質を補給するという流れになり、体内の脂肪が使われることがなく糖代謝機能だけが促進されていくという悪循環に陥る
  • 脂肪をエネルギー源として燃やすにはミトコンドリアに十分な酸素を送り込まなければならない

■脂肪が燃えやすい運動強度を理解する

  • 最大酸素摂取量の60%程度のレベル(感覚的には運動強度で言うとややきつい、ギリギリ会話が出来る)

■脂肪が燃えやすいタイミング

  • 空腹時のトレーニング、一番燃えやすいのが夕食前、その次は早朝。お腹が減っていても、走り始めると空腹感を感じなくなる→(私もそうです。走った後もしばらく空腹感が無くて、ある程度時間が経つとお腹が減って来る感じかな)

■脂質代謝をうながす栄養と給水の摂り方

  • 炭水化物を控え目にする
  • 走る前は炭水化物よりも代謝を促進させるビタミンB系の胚芽米、玄米、種実類、豚肉などを補給する(胚芽米、玄米も炭水化物だから白い糖質と書いた方が良かったかも)
  • 普段のトレーニングの後に、筋肉の修復を助ける蛋白質や乳製品、海藻類などミネラル分を摂る
  • ビタミンB系統はエネルギー源を燃やすのを助ける(脂肪の代謝を促進させるのはビタミンB2とB6)
  • トレーニング中の給水はスポーツドリンクではなくミネラルウォーターで。どうしてもスポーツドリンクを摂りたい時は糖濃度2.9%ぐらいになるように薄める。ドリンクのラベルをチェックして内容も吟味する

■筆者の経験談

  • 1987年ローマの世界陸上では快心のレース。50キロ競歩で当時の日本最高記録を10分以上更新
  • 翌年、ソウル五輪の選考会にて46キロで低血糖を起こし倒れる
  • この2つの大会で事前のトレーニング内容に大きな違いは無かった
  • ローマ大会直前は2ヶ月間ほどスペインナショナルチームと一緒にスペインでトレーニングしていた
  • 食事は地中海料理(オリーブ油、アボカド、魚介類中心)スペインの選手はパンの中身を取ってパンの皮にオリーブ油やアボカドを塗って塩コショウをかけて食べていたので自分も真似していた
  • ソウル五輪予選会の時は炭水化物の多い日本食、カーボローディングもしていた。40キロ過ぎで空腹感がひどくなり45キロで缶コーヒーを飲み、その直後にインシュリンショックを起こし低血糖で倒れた
  • 良質な不飽和脂肪酸は脂質代謝機能の向上に寄与する
  • 食事内容は体調や成績に影響を与える

どうでしょう?走っても痩せないと言う方、参考にしてみては?

50キロ競歩の世界記録って3時間34分、この間、輪島で日本選手権(兼世界選手権代表選考会)がありましたが、その選考基準タイムが3時間45分。競技時間だと一般的な市民ランナーのタイムと同じですよね。マラソン2時間前半で走るようなトップ選手の理論より時間で考えると参考になると思うんだけどなぁ。

自分自身の体験では、その時の完歩記を読んでみても20キロ競歩の運動強度が体感的に、ほぼATレベルかなと思いました。この強度でフルマラソン3時間半で走れれば良いんですけどね。

それともう1つ、本に書いていたスペイン選手の食事で、パンの皮にオリーブ油。ココナッツバターは飽和脂肪酸ですが、この間書いたパンにココナッツバターで調子良かったというのも本当なのかも。オリーブ油は中鎖脂肪酸ではありませんが、糖の吸収を遅くする効果はありそうです。あと、中鎖脂肪酸について調べてみたら脂肪を燃焼する効果もあるそうでチーズにも多く含まれているらしいです。昨年フードバレーとかちマラソンに出た時、これも競歩だったからかもしれませんがATレベルで最後まで歩けて全く空腹感が無かったのですが、当日の朝食に脂肪こってりのチーズ食べていたんですよね。当時の記事を読むと餅効果と書いてあるけど、それだけじゃなくてスタート直前に食べた少量の糖質が着火剤となり脂肪との相乗効果だったんじゃないかなと、今になって分析しています。

今日は前後のJOGを入れて24キロ、快調走という位置づけで20キロ走って来ました。風が無かったので長沼方面の平坦なコースにして、走る前はミューズリー30gに温めた豆乳にココナッツバターを溶かした物をかけてホットシリアル風にしてみました。走る方の調子はなぜかあまり良くなかったです。強度のわりには遅くて、快調走よりきつくなってしまいました。ですがきついわりには空腹感、エネルギー切れは無しでした。

さて洞爺湖マラソンの時に再度実験します。失敗したらって不安もありますが、ここで一歩踏み出してみないと。

もう1人、釜池先生って、元トライアスリートで糖質制限どころじゃなくて糖質ゼロを提唱しているドクターの本に書いてあるスポーツ時のエネルギー代謝についてを、そのうちまとめてみようと思います。

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2 thoughts on “脂肪を使える身体にする

  1. Westwind

    最新のカーボ理論も少し変わってきていて、レース前3日間は高糖質食、当日朝は高脂肪食、レース1時間前に高糖質のエネルギージェルというのも出てきていますね。あと、レース中に缶コーヒーでインスリンショックを起こすというのは解釈間違いでしょう。なぜならば缶コーヒーには多くの脂質も含まれているので速いスピードで血糖値を上げることができないはずです。だからインスリンショックではなく糖質補給・吸収が間に合わないで低血糖になったんだと思いますよ。

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    1. NAOJI Post author

      コメントありがとうございます。
      カーボローディングも進化しつつあるんですね。色々な説がありますので自分の体質に合った方法を自分なりに試行錯誤して取り入れるのが一番かと思います。

      本の筆者のインスリンショックの件はわかりませんがクリーム入りとかなら急激に血糖値を上げないと思いますが、体質にもよりますしミルクなしの甘いのだとどうでしょうか…実際に飲んで血糖値を測ってみないと一概に間違いとは言えないと思います。ちなみに自分の場合、色々な物で血糖値を測ってみましたが食後30分で180とかになる物もありますので。

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