「100000年後の安全」と「レイチェル・カーソンの感性の森」

昨日は観たい映画が2本あったので久しぶりにシアターキノへ行って来ました。

そのうちの1つは「100000年後の安全」

http://www.uplink.co.jp/100000/

フィンランドに作られているオンカロと呼ばれる高レベル核廃棄物の最終処分場。地底500mに国内で発生した核廃棄物を貯蔵し100年で一杯になったら密封するという施設。映画はこの施設の関係者に監督がインタビューをするのと、まるで人類が滅んだ後のような廃墟にも見えるオンカロの内部とそれを掘削していく人間の映像が交互に出てきます。

核廃棄物が無害になるのには100,000年の年月が必要と言われているそうです。

関係者に、もし未来の子孫がオンカロを発見して発掘しないように、正確に危険性を伝えることが出来るのかと監督が質問をぶつけてみます。しかし確かな結論はありません。

やっぱり人間が自らコントロール出来ないものに依存するべきではないのだと思います。

しかし、人間が快適さや利便性の追求を続ける限り原子力発電には頼らなければならないと思う。特に日本みたいな資源の無い国は。自分達のライフスタイルを考え直さなければならないと思います。

もう1つは「レイチェル・カーソンの感性の森」

http://www.uplink.co.jp/kansei/

沈黙の春の著者レイチェル・カーソンが余生を過ごすメイン州の別荘を舞台に周辺の美しい自然を織り交ぜながらのインタビューという内容。

最初は科学者ではなく作家になりたかったこと

父が亡くなって公務員として働き3人の家族を養いながら執筆活動を続けたこと

亡くなった姪の息子を養子に迎えたこと

沈黙の春は初めは半年ぐらいで書き上げる予定だったのが4年以上の歳月がかかったこと

化学メーカー業界などのバッシングに負けず自らの信念を貫き通したこと

沈黙の春を読んだだけではわからなかった彼女自身のことを色々知ることが出来ました。

晩年はガンと戦いながら、まだ幼い養子の先を案じながらの活動だったようです。

57歳の誕生日を待たずに亡くなったようで、こんなに若くして亡くなっていたとは大変残念です。

どちらの作品も考えさせられる内容でした。

 

P.S キノカフェで食べた玄米ご飯プレート。美味しかったです。

「100000年後の安全」と「レイチェル・カーソンの感性の森」” に対して10件のコメントがあります。

  1. ぶらんぼう より:

    こういう映画があることは知りませんでした。

    三月の大震災以降、電力云々の問題は沢山出ていますよね。
    いまどき珍しくエアコンの無い家に暮らしていますが、電気が無ければ…と考えるだけでゾッとします。
    電子レンジが我が家に登場したのは平成5年12

  2. ぶらんぼう より:

    ~続きです~(途中でエンターしてしまいました(^^;)
    月だけど、今では電子レンジが無ければどうなるんやろ?と思います。
    使わんときはプラグ抜いてます。
    それでも外に出れば「あっちも電気、こっちも電気」ってな世界。

    大勢の人が「原発反対」と云うてますが、わたしは電気を使う以上賛成します。
    自分が小学校低学年だったころの生活に戻れるなら原発無しでも電力は充分賄えるだろうけど、今の状態では到底不可能だと思います。

    甥や姪が成人するころには、日本という国自体が無くなってへんやろか?という懸念もごろごろしてるけれど、地球そのものが無くなってへんか?と考えざるを得ません。

    1. NAOJI より:

      この映画館ってミニシアターで普通の映画館では上映されない良い作品を上映しているんですよ。

      原発の問題難しいですよね。私も原発の仕事にも関わっているので複雑です。
      感性の森を見て、日本だけじゃなくて既得権益に都合の悪い真実を公表しても、色々な利害関係で結局は殆ど変わらないことが多いようですよね。しかしこれを何とかしないと将来の世代が地球で生きていける世界にはならないと思います。手塚治虫の火の鳥読んだことあります?何だかそれを思い出します。

      ちなみに電子レンジ、うちは別な理由で処分して数ヶ月経つけど無くても全然大丈夫ですよ。冷凍した物の解凍が出来ないのがちょっと不便だけど温め直すというのをやめて別な方法で工夫してます。

  3. くまぼう より:

    処分場の関係者にそんな質問するなんて、頓珍漢な監督ですね。
    発生させている人に聞くべき質問です。日本だったら、自民党国会議員かな。

    日本国内でもすでに原発が稼動して、処分しなければならないゴミが
    処分場ができるのを待っています。しかし、処分場を建設する場所がない。
    引き受けようなんていう自治体は出てくるとは思えない。
    どうするんでしょうね?

    1. NAOJI より:

      ごめんなさい、書き方が悪かったです。
      どんな組織の人がいたかはっきり覚えてないのですがフィンランドの原子力関係者でいくつかの組織の代表が何人かいたと思います。日本で言うところの原子力保安院的な組織もあったと思います。

      あんな事故があったら最終処分場を引き受ける所なんて無いでしょうね。しかも新たな原発はもう作れないだろうし。そういえば、もんじゅってどうなったんでしょうね。

      震災前の業界紙の記事だったんですがワイヤレス電力伝送という技術が実用化されればEVの普及が進むという記事を読んだのですが、これも発電所がこんなことになっては難しいですね。人類って存在自体が自己矛盾なのか?

      1. NAOJI より:

        河野太郎がブログにこんなことかいてました。
        http://www.taro.org/2011/05/post-1017.php

        1. くまぼう より:

          その場しのぎで、何とかのらりくらりとかわしてきたけど、
          いよいよ土俵際か、、、

          ワイヤレス電力伝送のことはよく知りませんが、それより、
          レアメタルがほんとに確実に確保できるのか、
          あるいはレアメタルに頼らない電池が開発されるのか、
          そちらのほうがネックじゃないのかなと思ってます。

          1. NAOJI より:

            レアメタルとかレアアースも頭の痛い問題みたいですよね。ニュースなどでは実用化出来そうな物も出てきているようですが、研究機関なんかも予算が減らされてないのかな?

            ほんとあっちを立てればこっちが立たずで、生活を古い時代に戻せば良いんだけど一旦便利になった物は戻せないんですよね。

  4. まるトラ より:

    もと原子力技術者で経済評論家の大前研一氏は最終処分場問題は、福島第一原発の周辺5km圏内を立ち入り禁止区域に指定して、7号機、8号機用に確保した用地に最終処分場を建設するべきだと言っていますね。
    これ、良いアイデアだと思います。

    また、原子力発電については、当面現有施設を稼働しつつも、耐用年数を迎えた後はすべて廃炉にする。
    そのかわり、日本はその間に”省電力技術”を磨いて、すべての電化製品を現在より30%省電力なものに変えて行く事を勧めています。
    そして、これは世界に対して輸出出来るメイドインジャパンの優れた技術としてGDP上昇に貢献するであろうとも。
    けして夢物語ではありません、かつて不可能と言われた、アメリカの排気ガス規制マスキー法を世界で一番早くクリアしたのは日本のホンダでしたよね。
    日本のメーカーにはこのような不可能を可能にする力が未だあるのだから、国民全体でこの悲劇をチャンスに変えるべきだ、というのが大前氏の主張です。
    なかなか、考えさせられます。

    そうそう、もんじゅは現在悲惨な状況らしいです。
    燃料交換のクレーンが原子炉内の落ちる事故が在ってそれの撤去に相当期間掛かるとか...
    高速増殖炉であるもんじゅの冷却剤は”金属ナトリウム”を使っているらしいです。
    これは酸素や水に触れると爆発する大変危険なものらしいです。
    大前氏も福島事故直後からもんじゅは廃炉にするしかないと言っていました。
    軽水を使う福島であの大惨事ですから、プルトニウムを大量に燃やし、冷却剤自体が”爆発”性のものを利用しているもんじゅでは・・・

    確か、担当課長が自殺しましたよね。
    http://news.livedoor.com/article/detail/5372597/
    国と利権と核・・・

    1. NAOJI より:

      前向きに考えるには日本の技術に期待するしかないですか~。
      大前氏って以前選挙に出たことがありますよね?でも当選しなかった。
      外から言うのは簡単ですが…良い案があるのなら何とかして欲しいもんです。

      大連立なんて話も出てきてるけど、そうなったら、政治家のやりたい放題になるなんてことは無いのだろうか…

まるトラ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

競歩

前の記事

霧の朝