ケトン体が人類を救う

昨年8月に札幌でお会いした宗田先生の本が出版されました。

夏井先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」の続編的な本とも言えます。

産婦人科医の宗田先生ご自身が糖質制限の糖尿病に対する効果を実感。

妊娠糖尿病の患者さんにも治療として糖質制限を取り入れるうちに妊婦が糖質制限をしている、していないにかかわらず、妊婦・胎児・新生児の血液にはケトン体が非常に多く含まれるという事実を発見します。

そのことを学会で発表したところ大きな非難浴びます。

一般的にはケトーシスとケトアシドーシスが混同されていて、危険なのはケトアシドーシスの方。

ケトン体=飢餓の象徴が広く知られているからですね。

ケトン体が高いとIQが低下するとか奇形児が生まれると言われているらしいのです。

糖質制限を続けているブドウ糖中心のエネルギー代謝からケトン体中心に変わって来ます。

それは決して危険なことではないと思います。

私自身は血中ケトン体を測ったことが無いし、尿にもケトン体が出ていないのですが、遊離脂肪酸はいつも高いので多分血中ケトン体も高いと思います。

血糖とケトン両方計測出来る機械買えばはっきるするんだけどな。

 

本によれば妊娠糖尿病というのは妊娠中にインスリンがちゃんと分泌されているにもかかわらず効かない状態になることで、出産後には治るそうです。しかし、そういう人は将来糖尿病になる危険性が高いです。

胎児の栄養はブドウ糖という考えが根底にあるので高糖質な食事を食べさせれられ、コントロールが上手く出来ない場合インスリンを使用するそうです。それで何十キロも太ったりする患者さんもいたりして。

妊娠糖尿病は糖質は要らないという胎児からのメッセージではないか(これは宗田先生の考察)

糖尿病のために妊娠継続を諦めねばならない妊婦さんもいるそうです。

これからも、症例を積み重ねて安全性を証明し、広く世間に認められることを期待します。

 

本には学会でのやり取りの様子が書かれています。

常識を覆すことを発表するということは様々な嫌がらせを受けるようです(今も昔も同じですね)

宗田先生の1人でも妊婦さんを救いたいという強い気持ちがあればこそ出来ることなのでしょう。

 

ちょっと気になったのは先生が糖質制限で糖尿病が治るって書き方してること。

多少の糖質を摂っても高血糖を起こさないのが正常だという意見を私は支持します。

ローカーボにすると膵臓の機能が回復して耐糖能が改善する人と、逆にちょっとの糖質でも血糖値がハネ上る人と両方いると思うんですね。

前者は確かに治ったかもしれないけど、後者の場合は治ったとは言えないと思います。

寛解が正しい表現じゃないでしょうか?

 

これから妊娠する予定のある方は読んでおいた方が良い本だと思います。

病院での標準的な治療が全て正しいというわけではないと思います。

知っておけば役に立つこともあるかもしれません。

 

P.S 宗田先生の経歴なんですが、ちょっとユニークで最初北大理学部で地質学を学び、国際航業に就職しているんです。それから奥様は私と同じ空知の隣町、赤平市出身の方だと記憶していて、勝手に親近感を抱いています。

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